恐ろしい無症候性脳梗塞について1

 無症候性脳梗塞という言葉はあまり耳にする機会は無いと思います。
無症候性脳梗塞とは、発症しているのに自覚症状のまったく無い脳梗塞のことを言います。

 通常、脳梗塞というと大きな血管が詰まって脳組織に広い範囲で大きなダメージを与え、時には生命の危険さえ起こしかねない病気です。

 しかし無症候性脳梗塞は、極細い血管が詰まって脳組織の狭い範囲にしかダメージを与えないため、本人にはまったく自覚がありません。

 現在、50代の方のうち5人に1人が無症候性脳梗塞に罹っているといわれています。専門家は、30代になったら気をつけるべきであるとしています。

 無症候性脳梗塞自体はそれほど深刻な病気ではありませんが、それに伴って脳血管性痴呆症が発生しやすくなるという事実は非常に重要です。

 認知症(痴呆)は、今や14人に1人の方が罹るといわれています。30年後には、10人に1人が罹るともいわれています。

 この先の人生で、ご家族や周囲の方々に迷惑をかけないよう、若いうちから予防することが大切です。

 認知症(痴呆)は無症候性脳梗塞だけが原因ではありませんが、少しでもその可能性を低くできるならば、予防するべきだと思いませんか?

 まず予防の第1歩は、血中のコレステロールや中性脂肪の値を低くすることから始めます。

 血中の中性脂肪とコレステロールが高い人は、俗に言う「ドロドロ血」といわれています。血中に余分なものが入るため、血液の粘度が上がり、特に細い血管で血流が悪くなります。その血行不良が脳の組織にダメージを与えます。