サプリメントと医薬品の違いは?

薬とサプリメントは形状に目立った違いがないため混同されやすいですが、薬事法で規定された医薬品と、日常生活で不足している各種栄養素を補うための食品であるサプリメントにはいくつか異なる点があります。

サプリメントの栄養素はもともと人間の体内に存在して使われている物質です。一方、薬は病気を治すために合成した有効成分を外的に補充する物質で、通常は体内に存在しない異物なのです。体内に薬の成分が足りなくて病気になることはありませんが、栄養素が足りなくて病気になる可能性はあります。

たとえば体内で解熱・鎮痛剤が不足したという理由で発熱や頭痛を引き起こすことはありませんが、ビタミンCが不足すれば壊血病などの欠乏症になります。

病気になってから服用するのが薬、健康の維持、増進するために飲むのがサプリメントと理解すれば分かりやすいでしょう。

療法を比較すると、薬は病気や症状に直接作用して熱を下げたり、血圧を下げたり、コレステロール値をコントロールするといった対症療法を得意とします。しかし、薬の種類によっては強い副作用を持つ場合があります。

これに対してサプリメントは体の調整機能を整えたり、血液の流れをスムーズにするなど、自然治癒力を高めて症状を改善していきます。つまり体のシステムを生かした自然な原因療法といえますね。薬のような特定の疾病に対する即効性がない分、副作用も穏やかです。

薬は服用方法や製品に含まれる成分量が定められているため、効果、効能表示が必ず記載されていますが、食品として分類されるサプリメントには記載されていません。さらに特定用量や用法が厚生労働省によって認可されているわけではなく、同じ主成分の製品であってもメーカーごとに含有量に違いが生じています。

自分の必要な栄養素の摂取量を含有しているか、きちんと調べて購入するように気をつけましょう。