多臓器不全は命の危険も引き起こしますし、例え治ったとしても、体力を非常に落とすことにもなりかねません。
通常、ヒトが抗体が効果のあるウィルスに感染した場合、その抗体がサイトカインという活性酸素攻撃の目印となる物質をウィルスに付着させます。好中球はそのサイトカイン目掛けて活性酸素攻撃をかけますので、ウィルスに侵されている部位のみが活性酸素の攻撃を受けます。
しかし、インフルエンザなどの抗体が効かないウィルスに感染しますと、サイトカインをウィルスに付着させることができずに、全身にウィルス侵入の警報が鳴ります。
すると、ウィルスに感染していない部位でも好中球が活性酸素を放出し、活性酸素に弱い部位(主に脳や肺などですが、お年寄りは内臓全般におよびます)は重大な被害を被ることになります。
そこで、活性酸素の害を防ぐ機構が衰えているお年寄りが風邪やインフルエンザに罹った場合、充分な量の抗酸化サプリメントを摂る必要がでてきます。
アメリカの家庭では、こういった活性酸素抑制効果のあるサプリメントが薬箱などに常備され、子供やお年寄りなどが風邪やインフルエンザに罹っても、すぐに摂れるようにしてあることが多いようです。
ビタミンC(ビタミンP)は、最も基本的な抗酸化剤です。通常のビタミンCは水溶性のため、摂取してからの排泄速度が速く、体内濃度を一定に保つためには、3時間おきくらいに摂取する必要がありますが、ウィルス感染症などに罹患しているお年寄りには、こまめな摂取は非常に大変なことですので、体内に長く留めておくことのできるエスターCなどを上手に利用していただくと良いと思います。
ビタミンCは、病中は1日に2000mg~5000mgくらいの摂取をおすすめします。
ビタミンB群も同じく水溶性のため、体内濃度を一定に保つのが難しく、こまめな補給が必要なビタミンです。
タイムリリースやサステインリリースと呼ばれる、ゆっくり溶け出す加工をした製品もありますので、そういったものを取り入れるのも一つの方法です。
ビタミンEも基本的な抗酸化剤
ビタミンEも摂取してからの排泄速度が速いため、体内濃度を一定に保つためには、6時間おきくらいに摂取する必要があります。
ビタミンEは脂溶性の性質を持つビタミンといって油や脂質に溶ける性質があり、体内でも脂質の多い場所の抗酸化効果を高めます。
内臓を構成する物質は脂質が多いので、ビタミンEを多く摂取することで、多臓器不全を防ぎます。
ただし、ビタミンEはビタミンCと共に摂らなければ効果が半減しますので、ご注意ください。
病中は1日に800IU~1600IUくらいの摂取をお勧めします。