グルタミン酸の機能と副作用

グルタミン酸は、体内で作られる非必須アミノ酸です。
グルタミン酸が多く含まれる食べ物といえば、海草類や大豆が思いつきます。

ほかにもサトウキビ・アーモンド・ゴマなどにも多くのグルタミン酸が含まれています。昆布だしからとれる「うま味成分」として知られていますが、エネルギー代謝や窒素代謝にかかわる重要な成分です。

疲れ・気分の落ち込みを軽くしたり、潰瘍の治癒を早めたりするという研究結果もあります。脳や神経系統の症状を改善してくれるのですね。具体的な働きは、脳の機能を妨げるアンモニアをグルタミンという成分に変えるとともに、尿排泄の促進作用により、アンモニアを体外に排出してくれます。

グルタミン酸は、脳神経細胞間の情報伝達を担っており、脳内の情報伝達のおよそ40%に関わっている伝達の主役です。また、アルコール依存症を抑制したり、ED(インポテンツ)を改善したりするという効果もあるとされています。最近の研究では、体内で骨を成長させることもわかってきました。

骨には、作る働きの骨芽細胞と、壊す働きの破骨細胞が調和を保って作用しながら成長します。金大大学院自然科学研究科の米田教授らは、造骨(骨を作る)信号としてグルタミン酸をとらえるスイッチの器官「レセプター」を骨芽細胞に見つけました。また、グルタミン酸を作ったり調整したりする器官も確認したのです。この3つの器官が分担してグルタミン酸を「出す、受け取る、止める」ことで骨の成長が進むと考えられるようになりました(骨粗鬆症の治療につながる基礎研究として特許出願)。

このようなグルタミン酸ですが、過剰に摂取すると副作用が現れます。1969年、ワシントン大学のオルネイは、グルタミン酸ナトリウムをサルやラットに大量に投与する実験を試みました。

その結果、サルやラットの脳にある視床下部の細胞が破壊されることを確認、報告しています。ほかにも、神経の高ぶりや神経症、幻覚や手足のしびれなどの症状が報告されています。

インスタント食品には多くのグルタミン酸が入っています。過剰摂取の恐れもあるので、人工的な食品をよく食べる方は、グルタミン系のサプリメントは控えた方がいいと考えます。